コラムColumn
こんにちは。
京都市西京区上桂の動物病院「リアンどうぶつ病院」です。
2020年、14年ぶりに日本国内で狂犬病による死亡例がありました。
亡くなられた方はフィリピン滞在時に感染し、来日後に発症したといいます。
日本は世界でも数少ない狂犬病の清浄国ですが、現在でも世界のほとんどの地域で狂犬病が流行しているのです。
狂犬病による全世界の年間の死亡者数は、推計5万9000人です。※WHO(世界保健機関)の調査(2017)
日本周辺のアジア諸国やインドネシア諸島、アフリカなどでは、今も狂犬病による年間の死亡者数の推計が3桁~4桁にものぼります。
狂犬病が清浄された国・地域は、下記に記載した11の国・地域に限定されています。
◆狂犬病清浄国(現在、狂犬病がないエリア)
・オーストラリア
・ニュージーランド
・日本
・フィジー
・キプロス
・ハワイ
・グアム
・アイルランド
・イギリス
・ノルウエー
・アイスランド
世界的に見ると、狂犬病のないエリアは、まだまだ少数派であることがわかります。
上記以外の地域に渡航する際は、狂犬病に感染しないように注意が必要です。
しかも狂犬病のウイルスの感染経路となるのは犬だけではありません。
日本国内にいるときと同じ安全な環境ではないのです。むやみに、犬をはじめとする動物を触らないように注意しましょう。
◆世界各地で狂犬病を媒介する動物
イヌ、キツネ、コウモリ、アライグマ、スカンク、コヨーテ、マングース、ジャッカル、オオカミなど
狂犬病流行地域に滞在中、犬などの動物に咬まれた場合は、速やかに下記の行動をとりましょう。
①できるだけ早く傷口を洗う
②現地の医療機関を受診する
③傷の手当と、狂犬病のワクチン接種を受ける
④帰国後は、検疫所へ申し出る
人・犬ともに発症すると致死率100%とされる狂犬病ですが、潜伏期間が長いのも特徴のひとつです。
早期対応できれば、発症を回避することも不可能ではありません。
「ちょっと咬まれただけ」などと軽視せず、後で後悔しなくて済む様ように、すばやく適切に対応しましょう。
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